ベル麻痺(ベルまひ)とは、顔面神経の麻痺によって障害側の顔面筋のコントロールができなくなった状態のことである。顔面神経麻痺の原因として脳腫瘍、脳卒中、ライム病などがあるが、原因が特定できない場合にベル麻痺と呼ばれる。

初めてこの疾患を報告したスコットランドの解剖学者チャールズ・ベル(英語版)(1774 – 1842)にちなんで命名された。ベル麻痺は最も一般的な急性単神経炎であり、急性顔面神経麻痺の最も一般的な原因である。
ベル麻痺は、特発性片側性末梢性顔面神経麻痺と定義され、通常人への感染は起きない。不全麻痺または完全麻痺が急速に、通常は一日以内に完成するのが特徴である。
ベル麻痺では、顔面神経が炎症によって腫脹(腫れること)した状態にあると考えられている。

顔面神経は頭蓋骨(側頭骨)の細い管(顔面神経管)の中を走行しており、この管の中で腫脹すると神経が圧迫され、神経伝達の阻害や損傷、細胞死が起こるとされている。ベル麻痺の原因は確定されていないが、臨床上、実験上の証拠から、1型単純ヘルペスウイルス感染の関与が示唆されている。

多くの場合、治療しなくとも発症後10日もすれば改善の徴候が見られる。
障害側の閉眼ができなくなる事も多いため、眼の乾燥を防ぐ必要があり、これを怠ると兎眼による角膜上皮障害によって視力障害をきたすことがある。