白板症(はくばんしょう、leukoplakia)とは、肉眼的に粘膜が白色を呈することを示す臨床的用語である。
主に口腔外科学領域で、ときに婦人科学領域(外陰部)などで用いられる。
病理組織学的には、単に重層扁平上皮の角化異常の一つである角化亢進を起こした状態である。
基底細胞の増殖、分化が関係し基底細胞の重層化、棘細胞の肥厚など角化異常を起こしている。

多くの場合、表層の細胞はあたかも皮膚の上皮=表皮のように、高密度のケラチンが細胞内に蓄積し細胞核が消失する完全な角化=正角化する形での角化亢進、即ち過正角化症を示す。しかし、粘膜の重層扁平上皮の性質を保ったままの、細胞核を失わない不完全な角化=錯角化をしながら、量的には角化亢進している状態、即ち過錯角化症であることもある。
同時に、上皮下結合組織には炎症性細胞浸潤を認めることが多い。

良性の角化亢進は異形成や上皮内癌に必須の前駆症状という訳ではないが、良性の「白板症」に隠れている異形成や上皮内癌をスクリーニングするため、臨床的には白板症を「前がん病変」として扱う。