象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう、Hypersensitive Dentin (Hys) )とは、生活歯において象牙質の露出をきたし、様々な刺激による知覚亢進(閾値の低下)を主症状とする疾患のこと。単に「知覚過敏」とも呼ばれる。一般には、冷温刺激による一過性の疼痛をあらわし、咬合時の疼痛を示さず原因となる部位への接触痛は強い。
刺激による疼痛の程度により軽度(軽い痛みを自覚)、中等度(耐えられる痛み)、強度(耐えられない痛み)の三段階に分類する場合もある。
咬合時に痛みを生じたり、耐えられない痛みが持続して自発痛となっている場合は知覚過敏ではなく歯髄炎である場合が多い。

象牙質知覚過敏症の原因は、エナメル質の欠損、歯頸部歯肉の退縮などによる根面露出などによって象牙細管の開口が起こり、細管内の組織液が動き神経が刺激されることによるといわれている。これをいわゆる「動水力学説」と称する。

エナメル質欠損として代表的なものは歯頚部に生じる楔状(クサビジョウ)欠損、咬耗症によるエナメル質の物理的磨耗、破折、酸蝕症などである。また、知覚過敏は歯科治療時の齲蝕歯質の除去や窩洞形成、支台歯形成によって引き起こされることもある。

治療法)
象牙質表面を被覆したり、象牙細管を閉塞させることにより、刺激を遮断することが処置の基本となる。
薬物の塗布(塩化亜鉛や硝酸銀、アンモニア銀、フッ化ジアミン銀、フッ化ナトリウム、タンニン・フッ化物、塩化ストロンチウム、パラホルムアルデヒド等)
イオン導入法(亜鉛イオンやフッ素イオン))
象牙質の被覆(グラスアイオノマーセメントやレジン、高分子被膜、バーニッシュなどにより、露出象牙質を被覆)
レーザーによる神経の鈍麻や、象牙質の溶解、組織液の凝固。
抜髄処置(他の手段で症状が消失しない場合)

治療薬や知覚過敏抑制効果がある歯磨剤は色々な種類のものが流通している。

更新:2019/7/23