中枢性の三叉神経障害に関連しておこる真性(特発性)三叉神経痛と、末梢領域のいろいろな原因によって二次的におこる症候性(仮性)三又神経痛とがある。

真性三叉神経痛は、最近では、頭蓋(とうがい)内で三又神経が血管に圧迫されておこると考えられている。また、脳腫瘍(しゅよう)が三叉神経を圧迫したり、癒着することによってもおこる。
特発性三叉神経痛は女性に多く(3:2)、右側に多い(1.7:1)
発症年齢は90%が40~70歳で、ピークは50~60歳である。

疼痛は三叉神経の支配領域で、罹患枝はⅡ+Ⅲ>Ⅲ>Ⅱ>Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ>Ⅰ+Ⅱ>Ⅰの順で頻度が高い。
通常は一側性で疼痛以外の神経学的所見は正常で慢性に経過し自然治癒はほとんどない

一方、症候性三又神経痛は、歯や副鼻腔の炎症性病変が原因の場合が多い。

 

真性か症候性かにかかわらず、痛みは顔面や口腔の左右どちらかにみられる。

三叉神経の三つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)のどれが関与しているかによって痛みの部位は異なる。

真性では突然電撃様の激しい痛みがみられるのが特徴。また、この痛みは短時間でおさまり、繰り返しておこる。また、発作は摂食、洗顔などにより誘発。

 

第一選択薬はカルバマゼピン(CBZ):テグレトール®
一日200~400mg、1日2~4回(食前1時間前と就寝前)から開始し、症状により増減して最小必要量を探す。
最大使用量は1日800mgまで。長期使用時はは肝機能障害などに注意する。
テグレトールは三叉神経痛、舌咽神経通に対し保険適応されている。

第二選択薬:CBZが副作用などで使用できない場合はフェニトイン(PHT):アレビアチン®、ヒダントール®を服用する。
1日50~100mg、1日2~3回

第三選択薬:上記の第1・第2選択薬が使用できないときはガバペンチン(GBP):ガバペン®
成人で初日600mg、2日目1200mg、3日目1200~1800mg 最大使用量は1日2400mg。

その他使用される薬剤:抗てんかん薬が使用される。
クロナゼパム(CZP):リボトリール®、ランドセン®
バルプロ酸ナトリウム(VPA):デパケン®、バレリン®、ハイセレニン®
バクロフェン:ギャバロン®、リオレサール®

第一選択薬カルバマゼピン(CBZ)は三叉神経痛の診断と治療に用いられるが、疼痛抑制効果が得られるまで1週間ほどかかるので、数日で効果を判断しないこと。
三叉神経痛にはNSAIDsなどの鎮痛薬は原則的に全く効果がない。
鑑別する場合同時にCBZと併用すると診断ができないので注意する。

更新:2017/10/31