糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である。自覚症状に乏しく患者は病識を持たないことが多いが、長期間続くことで糖尿病合併症である糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽などを発症し患者の生活の質を低下させることになる。中等度以上の高血糖が持続すると、口渇・多飲・多尿、体重減少などの症状を呈し、著しい高血糖になると昏睡をきたすことがある。そのため、より発症初期からの糖尿病介入が重要である。

歯科処置では糖尿病患者の易感染症が問題になることがある。

糖尿病コントロールの指標としてはHbA1cを用いる。

血糖値正常化を目指す目標 合併症予防のための目標 治療強化が困難な際の目標
HbA1c(%) 6.0未満 7.0未満 8.0未満

 

【糖尿病の病態】

成因により1型と2型糖尿病に分類される。
1型:インスリンを合成・分泌する膵ランゲルハンス島β細胞の破壊・消失が起こることによるインスリン分泌の低下が原因である。早期にインスリン治療を開始する必要がある。

2型:糖尿病患者の9割を占める。遺伝的素因の上に過食などの生活習慣悪化や加齢により発症すると言われる。治療開始時は生活指導とともに適切な食事管理と運動療法を行う。2-3か月続けても血糖コントロールを達成できない場合内服薬治療を行う。著名な高血糖の場合インスリン治療も必要となる。

更新:2019/7/23